ストレスって何?
ストレスって、何?
ストレスという言葉ほど巷に浸透しているものはないだろう。ただ、一般的に知られている意味と本来の意味には、かなりのギャップがあることを知らない方もまた多い。
「ストレスは、溜めてはいけない」
「ストレスは、発散して、解消するもの」というのが一般的理解の大半だろう。そもそも、ストレスという言葉は、工学系の用語で、「歪み」や「きしみ」を意味する
この考えを医学から心理学へ持ってきたのが、ハンス・セリエというストレス学説の祖だった。彼は、すべての病気に共通する「病気らしさ」に注目した。
その結果、副腎皮質の肥大、全身のリンパ組織の高度の発熱、胃や十二指腸の出血や潰瘍が見られることを発見する
また、そうした変化には、3つの段階で進行していることにも気づく。
初期の段階は、警告反応期。刺激に対して体の中で警報が鳴り、防衛反応が働く段階である。
「お!これはまずいぞ!!」の時期。
次に起こるのが、抵抗期。この時期になると、副腎皮質はさらに肥大して、ホルモンを分泌する下流が豊富に蓄えられれる。刺激に対して、完全に抵抗している時期。
「必ず、何とかしてみせるぞ!!」
そして、次には「疲憊(ひはい)期」刺激に対して、獲得した適応の状態は失われ、抵抗できなくなり、最初の警告反応と同じような状態となり、死に至ることもある。「あー、もう無理!!」
心理学的な意味合い
ただ、セリエ博士は前向きだ。ストレスを刺激に対して適応するときに働く力、つまり適応力(エネルギー)というとらえ方をした。
そして、外部刺激を「ストレッサー」と名付けた。
つまり、ストレスは生きていくうえで必要不可欠なエネルギーそのものである。
日本に講演に来られた際の名言がある。「ストレスは、人生のスパイスである」
ストレスは、良いのもでも悪いものでもない、
適度に溜めて、上手に使いこなすことによって、活力となり人生の味をピリッと締める調味料にもなるという風に考えたい。
皆さん、ストレスという言葉、前向きにとらえましょう!