コロナ禍の一年
1.コロナ長期化で見えてきたこと
武漢でコロナが発生してから、約一年が過ぎようとしています。日本では、2月ごろから、クルーズ船の話題であふれかえりました。その後一気に情勢が急展開し、緊急事態宣言が出されるまでにそう時間を要しはしませんでした。
当初は病院での受け入れ態勢が整わず、地元富山でも一時期かなり危うい状況にまで追い込まれました。
海外でも一気に広がりを見せ、中国のせいだと息巻いていたアメリカも、今や世界一の感染者や死者を出しています。
ただ、一方当初不足していたマスクや消毒液などは充足し、日本では一定の対策が取られるといったんは落ち着いたように見えました。しかし、現在は冬に向かう中で、二波かとも思われる状況となっています。
しかしながら、日本は、感染者や死者数など欧米諸国やアメリカなどに比べると極めて低い数値となっています。より低い、台湾やタイなど東南アジア諸国の、要因などはっきりしていけれれば、対応の糸口になる可能性もありますね。
一方で、わかってきたことも多い。三蜜、ソーシャルディスタンスは国際基準となっています。特に、3蜜の状態での長い時間の会食、お酒が伴うとクラスターが多いことは言うまでもありません。手洗いや消毒が身についている日本では、少ないのもうなづけます。さらに言うと、いわゆる大都市圏以外の県は、軒並みあらたな感染者はほぼ出ていない状況が続いています
問題は、先の見えない不安な状況が長引いていることです。これによる
心身疲労の蓄積が目に見えない様々な障害をもたらさないか心配しています。
一方、長引く反動で、一線を越えた若い年代の方々の行動も気になるところです。一部では、「ノーガード」というような言葉も使われているようです。
また、業界ごとの影響の格差も大きいですね。時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、世界経済を考えるとそれだけでは済まない部分もありますね。確かに、時代の流れに乗れないような脆弱な分野は淘汰されるのでしょう。業態転換や新たな展開を考える良い時期には違いありません
ただ、年末から次年度3月期にかけては、倒産、リストラ、、あるいは自殺などが増加することも予想されます。
今の状況から推測すると、このような状況は、まだ少なくても数年はかかるかもしれません。
構造転換を図りながら、どう立て直していくかスピーディーに対処しなければいけないと思っています。
2.根底にある「不易流行」
コロナによって世界は一変しました。それも、たったの一年で。コロナ以外でも、ここ数年は、大きな災害などが相次いで世界各地で起こっています。
何か、地球規模で人類に、問われているような気がしますね。世界は地球規模で大きな転換期に入っていることは間違いないでしょう。
自分自身も、2月末以来ほぼ8ケ月もの間、自宅からなかなか出られず、悶々とする日々が続いていました。それまでは、何不自由なく全国各地を飛び回っていたのに、一切動けなくなってしまいました。
この10月ぐらいから、ようやく動けるようになり、改めて気づいた事も多かったです。
人との触れ合いがこんなにも温かく感じたことは今までありませんでした。
会う人ごとに、涙がでるような感情が湧き上がって来ました。
「不易流行」という言葉がありますが、まさに現在はそのことを思い起こさせられました。
コロナ禍での新生活様式は、ここからはスタンダードになってくるでしょう。時代の流れに合わせた新たな生き方、仕事の仕方が主流となってくるのは間違いないことでしょう。
その一方で、変えてはいなけない大事なこともあるはずです。
特に心と心のふれあい、肌感覚などは特に重要性を感じます。
そして、その中でも特に、それを通じてこそ得られる「教育」の分野があげられます。
自分自身も、ライブ感覚を重視して、少人数での研修を長年続けてきました。Webだけでは、伝えられないものが必ずあると信じています。自粛期間中、多くのアーティストなども同じようなことを言っている方が多くいました。
特に、音楽や演劇、コンサートなどは、まさにその類の典型でしょう。ライブハウスなどは、本当に苦労されているようです。
今空前のブームとなっている「鬼滅の刃」の大ヒットもそうした反動かもしれないとさえ思う。その内容も、ちょうど今のご時世に相通じるようなものがあると感じている人が多い証拠ではないのでしょうか?
家族愛や、やさしさ、などが身に染みるのかも?
3.新たな展開へ
テレワークで進めて欲しいものはいくつかあります。一極集中の世界を変える良い機会ではないでしょうか。すでに、一切の仕事をテレワークにした企業や拠点移動をした企業もあります。テレワークなら、何も大都会に住んでいる必要はないでしょう。
地方移住で一番の課題は、仕事がないという事がありましたが、それがなくなった今、多くの企業体に全国各地の過疎化が進む、エリアに積極的な移動をお勧めしたい。ここ数年の災害も考え合わせれば、かなりのリスクヘッジとしてもよいことだと思っています。事実そうした人も増えつつあるようです。
さらに、労働力不足が深刻な第一次産業、農・林・水産業などへ、若い方々が流れる仕組みづくりができないものでしょうか。
また、いわゆる社会的引きこもり、様々な障がいのために就労できていない多くの方々の、雇用を生む大きなチャンスではないでしょうか?
今全国的に、農福連携の動きが出てきています。農水省も全面的に支援を始めました。
自分自身も、次年度にかけては、より多くの時間をさけていきたいと考えています。様々な方々が集まれば、新たな人口集積と地方独自の文化の再生も可能ではないでしょうか。
現在大きな打撃を受けている業態と、過去最高益を出している産業が明暗を分けています。
今後は、こうした垣根を越えて、新たな業態、新たな展開を考えていく必要性も生じています。自分自身もまさにその真っただ中でもがいている最中です。
そのためには、旧来の縦割り行政の打破、業界・業種といった区分の見直しなども重要になってきます。
すでに、様々な動きが出始めていますね。ITの進化で、ますます面白い展開が始まる予感がしています。
ただ、その根幹では、より大きな視野も必要ではないでしょうか?
現在は、地球規模での大きな試練を迎えています。このような時に、自国優先の主張をしあっていても何も解決はしないはずです。ただ残念ながら、現状は反対方向に向いている部分もあるようです。
今後は、国を超え、人種を超え、
大きな視点でものを見ていくという視点を持つことも必要でしょう。
コロナのような課題は、一国だけが解決しても根幹の解決には至りません。今後、世界的にどう終息にもっていくのか、今重要なタイミングに来ているのではないのでしょうか。