心の整え方の基本について
1.心と脳の本質について
サイコロジー(心理学)のサイコという言葉は、
元々サンスクリット語のプシュケーが由来。
ギリシャ神話の女神の名前でもあるが、
精霊的なもの、すべての命の根源(霊魂)を意味
している。
また、本日の話を進める前提として、以下のことを覚えておいて欲しい。
心はもともと不安定で、環境に影響受けやすいという点。
次に脳は保守的で、過去の記憶(特にマイナスの体験には敏感)を忘れないという点。
2.2つの心
私たちの心には、仏と悪魔が同居している。
仏教の世界では、魔性と仏性という。
仏性は、常に正しさを決断しようとする心で、魔性はその反対である。
人間は、常にこの対立する2つの心のはざまに生きている
分かりやすく言えば、本音と建て前での板挟みのような感じである
分かっちゃいるけど、つい、ついということも多い。
3.心を空(くう)にしておく意味合い(3空心)
特に今、世界はコロナ禍に蔓延され、連日マスコミは恐怖をあおる報道を垂れ流し続けている。
こんな時こそ、心を空にして、対処する必要があるだろう。
恐怖を自分自身で、助長するようなことは極力避けるべきだ
心を空にしておく意味合いは、以下の3つに集約される
①人が口にする言動で、心をぐらつかせない事
②事に当たる場合には、過去の記憶を捨ててあたること
③出来事に引きずられて、激情することは絶対に避ける(愚の骨頂)
恐怖をあおるもの、真相がはっきりしないもの、内容のないものなどは、
見ること(聞くこと)自体を、ロックダウンするべきだろう
4.セルフカウンセリングの基本
恐怖に追い込まれると、出てくる言葉が暗くなりがちである。
日ごろ何気なく、言っている独り言や口に出す言葉に意識を向けてみよう
もし、否定語が多いのなら、ぜひとも肯定的な言葉やニュアンスに切り替えていこう
「コロナは怖い」「先行きが見えない」「もうだめだ」「もう、うんざりだ」などと思っていることろくなことは起きてこない。
こんな時にこそ、前向きな言葉に切り替えてみよう。
「コロナ禍はいずれ収まる」「二度とない、大チャンスが来た」
「苦難は、自分を成長させてくれるいい機会だ」
などなど。
毎日、「また、感染者がでた」「またか!」などと思っていると、暗く沈んでくる
同じ、またかでも、「ほうら見ろ、また新たなビジネスが生まれたぞ!」
など使い方を変えてみると、違う世界が見えては来ないか?
5.覚悟と決定心について
「覚」は、さとるとも読む。世の中の心理を知るという意味になる。
また、悟は、自分自身を知るという意味になる。
覚悟とは、この2つを知って決心するということになる
仏教では、決定心という言葉もある。
腹で決めた決心を意味している。断固として揺るぎのない固い決心である。
自我ではどうにもならない境遇に追い込まれて虚心にならざるを得ない状況の時にこそ、
初めて大いなる智慧のパワーが生まれるのである。
6.ただ、「ひたむきに・・・」、ただ「一途に・・・」
剣道にはかかり稽古というものがあります。学生のころには、一番嫌いな稽古でした。
時間としては、わずか15秒から30秒、これを10回とか回数を決めてやります。
強豪校などでは、想像を超える時間やり続けておられます
ただし、基本一息で、切れ間なく打ち続けていく稽古です。
やったことない方には、わかりにくいと思いますが、想像以上にキツイ稽古なのです。
しかも、さんざん通常の稽古をやった上でやります。
ただ、打ち込むことに精いっぱいで、考える余裕など全くなくなるからです
最後は、受け手に思うように体を支配されている操り人形のようです
これを、体が自然に覚えるまで、連日鍛錬していくのです。
千日の稽古を持って鍛とし、万日の稽古を持って錬とする
(宮本武蔵;五輪の書)