行動変容について
行動変容ステージ理論
今日は、ジェイムス・プロチャスカ教授の唱えた、行動変容ステージ理論のご紹介です。
「チェイング・フォーグッド」
この先生の論文は、最も引用が多い論文として注目を受けたこともあります。
行動変容ステージには、以下の6つの段階があるとしています。
前熟考期、熟考期、準備期、実行期、維持期、完了期の6つです。
前熟考期は、現在何もしていないし、これから先(6月以内)も行うつもりはない。
問題を抱えていることさえも、否定するような時期と考えます。
ほっといてくれ!という時期です
熟考期は、今はしていないがこれから先(6月以内)にはしようと考えている時期。
自分の問題を理解して原因を見つけ、問題を解決しようとする時期。
準備期。今はしていないが、時々することもあるような時期。
今すぐにでも行動変容しようと計画し、行動を変え始る前の最後の調整を行っている時期。
実行期。実際にやっているが、まだ始めてから6月以内。
健康への恩恵を得る望ましい水準での行動を実行し始めた(6月以内)の段階。
やりだして、少し関心がわいてきたわ!
維持期。すでに実行して6月以上続けている状態。
健康への恩恵を得る望ましい水準での行動を維持している(6月定)の段階。
完了期。過去の問題行動に関する誘惑がなく、目標とする健康行動が習慣化、
セルフエフィカシー(自己効力感)高い状況。
当然ですが、最初の方の段階ほど、すぐに行動変容に向かわせることが難しい段階です。
一斉に号令をかけても、初期の段階なら、軽く無視して終わることも多いでしょう。
逆に、準備期以降ぐらいなら、言われなくても自ら取り組もう、あるいは取り組んでいることも多いという事ですね。
特に健康行動には、そういう傾向が色濃く見られます。
片方では、「健康オタク」的な人がいたり、過剰に何かをやりすぎている方も見受けられます。
半面、医者から止められていても、酒やたばこ、ギャンブルなどに依存してしまう方もいるほどです。
何かを始めたり、行動を変えて行く際には、
それぞれの現在の段階がどこにあるかも、意識しておくことが重要だという事でしょう。
また、それぞれの段階において、アドバイスの仕方やフォローの仕方を工夫することも考えなければうまく行かないでしょう。
同じ案内を出すにしても、その人の心に届くような「語り掛け」の工夫も、特に「健康行動」的なものには重要です。
健康に関しては、各人、あまり人に干渉されたくないと考える方も多いからです。
年齢が行くにつれて、心身の衰えを感じ始め、ようやく気が付くことが多いものです。
もう少し早めに気づいて、
健康なうちに健康増進をしておきたいものです。