ナラティブという概念について
ナラティブとは?
ナラティブといっても、一般の人にはわかりにくい言葉でしょう。
情動の喚起とその背景を描く演劇のプロット(あらすじ)、あるいはストーリーのようなものをいいます。
人の考え方や感じ方は、それぞれその日の歩んできた人生に大きくかかわつていることは間違いありません。
また、その時々に現在だけではなく、過去の思い出を引きずって対処していることもままあります。
ラザラスという学者は、この行動とストレスを関連付けて考察するために、この「ナラティブ」に目を向けたのです。
ナラティブセラピーのプロセス
また、別のスコットという人は、以下のような4つのプロセスを考えました。
ナラティブセラピーの4つのプロセスの考え方です。
一つ目は、「外在化の作業」になります。言い換えると、問題と人を分けて考えるという意味です。
問題に名前を付けて、絵やオブジェなどで表現することで、自分と問題を切り離す作業になります。
これは、「ハラスメント」対策にも応用ができます。
次は、「解体の作業」。問題の正体を探っていきます。
擬人化した問題になりきって、質問に答えながら問題の正体を探り、それを問題日誌に綴っていくのです。
三つめは、「想起の作業」。肯定的な記憶を呼び起こしていくのです。
自分の力、良いところ、忘れていた肯定的な思い出を発見し、それを、宝箱に入れていく作業です。
最後は、「書き換えの作業」。
問題から主導権を奪い返し、これからの人生を自分でどのように進んでいくかを表現していくのです。
今後の人生などを考えるときにも、ここのところが重要になりますね!
さらに、
こうした流れの「根っこ」にある「原型ナラティブ」というものを見出します。
ほかの心理学のアプローチにも、上記のような流れで心理を整理していく方法が見受けられます。
自分の歴史を冷静に振り返る時間は有効です。
たまには時間を作って、ゆっくり昔のアルバムでも眺めながらチャレンジしてみてください
キャリカウンセリングの世界でも。「ヒストリー分析」と言って応用されています
最近でも、アスリートたちの日常的なケアなどにも応用されているようです。
目の前に課題があると、どうしてもそこから目が離れず、混乱すること多いものです。
いったん、そこから離れて、客観的に自分自身を見直す手法の一つ
として、覚えておくと便利でしょう。
心理学には、たくさんのアプローチがあり、それぞれ一長一短はあります。
それこそ、自分自身の「ナラティブ」と考え合わせながら、自分に合うセラピーを身に着けていくことが大事だと思っています。
自分の今後の生き方などを考えていくときにも、上記の4つを思い出して応用してみましょう。