呼吸について
呼吸の成り立ち
呼吸は、呼気と吸気からなる。このうち、特に大事にしたいのは、呼気である。
つまり、吐く息である。
ゆっくり吐き続けると、攻撃衝動を抑える神経系がうまく作動するようにできているのである。不安やうつ的な状況を緩和する効果も期待できる。
中国の古典である荘子には、
「真人の呼吸は踵(きびす、かかとの事)を以てし、衆人の呼吸は喉を以てす」
と説かれている。
つまり、達人の呼吸は、全身で深くゆったりとした呼吸であるということである。
仙人は霞(かすみ)を食べてで長生きするという伝説も、呼吸法ではないかとも言われている
また、「腹を抱えて笑う」とか、「笑う門には福来る」などという言い方もある。
要は、深く大きな呼吸は健康にも良く、病気の予防になることを物語っている。
「笑う門には福来る、笑門来福」とも言いますね。
また、呼吸は息とも書く。これは、自分の心という意味だ。
また、息は、生きるの生にも相通じるものがある。
つまり、自分の心が乱れると、呼吸も乱れ、その結果生き方までもが乱れてしまうという事だ。
息が苦しいと、生き方そのものが苦しくなる。
また、武道でも呼吸は重要視される。
意識を向ける場所は、おへその下にある臍下丹田(せいかたんでん)である。
ここに、意識を向けながら、呼吸ができると体の安定度が増し、ぐらつかなくなる。
古来からある精神を揺らがせないための身体の叡智ともいえる。
呼吸の練習方法
椅子に座っての練習方法を簡単にご紹介します。
まずは、椅子に浅めに腰かけて姿勢を正す。手は、太ももの上。足の裏が床にしっかりとついているように座る。
座ったら一度膝をくっつけて座る。その状態で脱力すると膝が軽く開きます。
開いた膝に合わせて軽く両足を動かすと体に合う座り方になります。
その次は、一度背筋を伸ばしてから、息を吐いて自然な姿勢にする。
また、肩も一度上にあげた後、息を吐きながらストンと落とす。こうすると、力の抜けた楽な姿勢になります。
その後、まず初めにおなかの息を鼻(あるいは口から)からゆっくり吐き出していきます。
最初は、5秒ぐらい時計の秒針見ながら練習してください。吐ききったら今度は鼻からゆっくり吸い込みます。
とりあえずは、楽な姿勢で、息が鼻から出たり入ったりする様子に意識を集中しながら取り組んでみましょう。
すがすがしい空気が体中にいきわたり、
体の中にある邪気(嫌なイメージ)などが、
体から抜け出していくというイメージなどがやりやすいでしょう。
生は、「き」とも読めますが、「気」とも関係します。
息を弾ませて、意気投合、和気あいあいの状態ができれば、生き方もうまくいって、
「軌」道にのり、自分の「器」(き、うつわ)も大きくなるのでは・・・。
さぁー、元気なイメージで深呼吸してみましょう。