逆説的リラクセーション
その場の緊張をほぐす方法
人は誰しも緊張します。特に、ここ一番、という大事な場面になればなるほど、
余計に力むという経験は、少なからず誰にでもあることでしょう。
昔は、舞台に上がる時には、掌に「人」の字を書いて飲み込むなどとよく言わました。
ただ、やってみても、それほど効果があったとは、そうしても思えないですね。
例えば、ピアノの発表会。舞台のそでで、次の順番をあなたが待っているとしましょう。
そこへ、お母さんの登場。さらに、耳打ち。「さぁ~、次はあなたの番よ!!」と激励されたら、
もう震えが止まりませんよね。まして、「頑張れ」とか「親戚中で応援しているよ」とか。
このような状況は、日常茶飯事で起きていませんか。
スポーツの世界でも、練習時には非常に強い選手が、いざ試合となると一回戦で簡単に負けてしまうという事もよく聞きますね。
心の中で、過剰に意識しす過ぎると、どうしても体の緊張を呼び起こしてしまうのですね。
私の思い出としては、いとこの結婚式を思い出します。
非常に照れ屋のおじさま。事前に入念に祝辞の準備をしていました。
何度も繰り返し、当日は開宴前から必至で、つぶやいて・・・。
でも、マイクの前に立った途端、手足が震えだし、
挙句の果てに、声が裏返って、結局一言も発することができませんでした。下書きの紙は上下逆でした。
漸進的リラクセーションの技
こんな時に役立つのは、逆療法です。
心理学では、
漸進的、あるいは、
逆説的リラクセーション(プログレシブリラクセーション)
と呼ばれています。
力を入れた反動で、力を抜く技です。
まずは、机の上に両掌を投げ出します。ゆっくり握りながら、徐々に力を入れていきます。(約5秒)。
そのあと、今度は息を吐きながら、ゆっくり力を抜いていきます。(約10秒)
掌が、ジーンとするような感じも、十分に味わいながらやってみてください。
同じ要領で、次は両足。椅子に座っているなら、足を延ばして、まずは5秒緊張。そのあと10秒緩める。
力みすぎると、こむら返りしやすいので、注意しましょう。
次は、胸のあたり。両手グーで、両脇を閉めながら、胸を緊張。
その後は緩める。そして、おなか。顔面。思い切り、顔をしかめた後、思い切り緩めてみましょう。
最後は、全身いっぺんに・・・。マットなどに寝転がってやるといいでしょう。
このように、各部署順番に、力んで、緩める。これを繰り返します。
緊張した反動で、自然に体が緩むことを活用した、即効性の高いリラックス法です。
かつて、無名だった野球チームが、合宿でこれを特訓して、日本一になったこともあります。