マザートンネルについて
生まれる前の世界
人間の体は、神秘に満ちている。
たった一つの受精卵が、ほんの一年でびっくりするぐらいに成長する。
また、一つの細胞から、非常に複雑な体の仕組みができることには、驚異すら覚えてしまいます。
受精卵の大きさは、0.15ミリ。重さは、0.000003g程度しかないそうです。
生まれたときには約3Kg程度ですので、約10億倍という信じられない数値になります。
受精から8週までを「胎芽」、9種目以降を「胎児」と呼びます。
その中でも、特に
5週から6週目までの一週間を「マザートンネル」と呼びます。
ここに、なんと生命の神秘が隠されています。
実は、このたった一週間の間に、約10億年の人類の歴史を再現しているというのです。
初めて聞いた時には、にわかには信じられませんでした。
この間の、受精卵を実際に撮影した写真の残つています。
最初は、我々すべて、えらのついている「魚類」の形をしているのです。
その次には、両生類、指と指の間には、カエルのような膜があります。
そして、だんだん人の姿かたちに、変貌していくのです。
姿かたちを模しながら、人類の進化の歴史を体現しながら、成長しているのです。
何とも、不思議で、神聖な感じを受けます。
一体、何故このようなことになるかは、まだ明確には解明されていないようです。
一つ一つに細胞が、それぞれの役割を担い、それぞれの器官に分かれて、それぞれが相互に複雑に関与しながら、
発達していく様は、おそらく最新科学でも精密には再現は不可能でしょう。
最近では、IPS細胞などの研究も進んでいます。また、医学の進歩も目覚ましいです。
しかしながら、人間の複雑な構造や成長過程の中には、
宇宙よりも深くて、わかっていないことも多いようです。
組織経営において、よく組織の在り方が議論されることが多くあります。
しかし、現実を前にすると、どうも人間は、余計なことを意識しすぎで、
本来の人間の持つ有機的、合理的な身体そのものを使いあぐねでいるような気もします。
時々は振り返って、「生命の神秘」「命の発達」
というような側面にも目を向けることも必要に思えます。